インプラント症例紹介(64)


インプラントの被せ物が外れた・欠けたときはどうする?

インプラントの被せ物(人工歯)が突然外れたり、食事中に欠けたりすると、驚いて「どうすればよいのか」と慌ててしまう方も多いのではないでしょうか。まず大切なのは、自己判断で元に戻そうとせず、できるだけ早めに歯科医院へ連絡することです。この記事では、被せ物が外れた・欠けたときの一般的な初動対応と、起こりうる原因、受診後の流れを整理します。年齢や性別を問わず、参考にしていただける内容です。


目次

  • 被せ物が外れた・欠けたときの初動対応
  • 被せ物が外れる・欠ける主な原因
  • 受診後に行われる一般的な流れ
  • 再発を防ぐために心がけたいこと
  • よくある質問

被せ物が外れた・欠けたときの初動対応

まず落ち着いて、状態を確認する

被せ物が外れても、インプラント本体(顎の骨に埋まっている部分)が無事な場合は多くあります。まずは、次の点を確認してください。

  • 外れた被せ物は手元にあるか
  • 痛みや出血、腫れはあるか
  • インプラントの土台(アバットメント)が見えているか、動いていないか
  • 噛んだときに違和感があるか

外れた被せ物は捨てずに保管する

外れた被せ物は、清潔な容器やケースに入れて保管し、受診の際に持参してください。状態によっては、そのまま再装着できる場合があります。飲み込まないよう、また紛失しないよう注意してください。

自己判断で戻さない

市販の接着剤や、入れ歯用の接着剤で被せ物を戻すのはおすすめできません。接着剤が土台の部品に入り込んだり、正しい位置に戻らなかったりして、かえって状態が悪化することがあります。

受診までの過ごし方

  • 外れた部分で強く噛まないようにする
  • 硬いものや粘着性の強いものは避ける
  • 露出した土台や欠けた部分を、舌や指で触らない
  • 歯みがきは、やさしく行い、周囲の清掃は続ける
  • 痛みや腫れ、出血があれば、受診の際に伝える

欠けた部分が鋭くなり、舌や頬を傷つけそうな場合は、早めに連絡して相談してください。


被せ物が外れる・欠ける主な原因

被せ物の不具合は、一つの原因だけでなく、複数の要因が重なって起こることがあります。

噛む力の影響

歯ぎしりや食いしばりなど、強い力が長く続くと、被せ物に負担がかかります。硬いものを噛んだ瞬間に、欠けることもあります。

噛み合わせのバランス

噛み合わせに偏りがあると、特定の部位に力が集中しやすくなります。治療後のお口の変化(ほかの歯の動きや、すり減り)によって、バランスが変わることもあります。

固定部分のゆるみ

被せ物は、接着材やネジでインプラントの土台に固定されています。固定方式によって、次のような変化が起こることがあります。

  • 接着材が長い年月で劣化し、被せ物が外れる
  • ネジがゆるみ、被せ物がぐらつく

被せ物の素材による特性

被せ物には、セラミックや金属など、さまざまな素材が使われます。素材によって、強度や特性が異なり、強い力が加わると欠けやすい素材もあります。

インプラント周囲の状態

インプラントの周囲に炎症が起こっていると、被せ物や土台が不安定になることがあります。外れた原因が被せ物そのものではなく、周囲の状態にある場合もあるため、検査で確認することが大切です。


受診後に行われる一般的な流れ

状態の確認と検査

まず、被せ物や土台の状態を確認します。必要に応じて、レントゲン検査などで、インプラント本体や周囲の骨の状態、噛み合わせを調べます。

状態に応じた対応

検査の結果によって、対応は異なります。

  • 被せ物が無事で、固定部分のゆるみが原因の場合:清掃や調整を行ったうえで、再装着することがあります
  • 被せ物が欠けた・破損している場合:修理が可能か、作り直しが必要かを判断します
  • 土台の部品や、ネジに問題がある場合:部品の交換や、締め直しを行うことがあります
  • インプラント周囲に炎症や骨の変化がある場合:その治療を優先して行います

どの対応になるかは、状態によって異なります。内容や回数については、診察の際に説明を受けてください。

噛み合わせや原因の見直し

再装着や修理を行うだけでなく、外れた原因を確認し、噛み合わせの調整や、歯ぎしり対策(ナイトガードなど)を検討する場合があります。


再発を防ぐために心がけたいこと

定期的なメンテナンスを続ける

治療後の定期検診では、被せ物のゆるみや、噛み合わせの変化、インプラント周囲の状態を確認します。症状がなくても、定期的に受診することが大切です。

日々のセルフケア

インプラント周囲の清掃を丁寧に行い、炎症を防ぐことは、被せ物や土台の安定にもつながります。清掃用具や磨き方は、歯科医院で指導を受けられます。

噛む力への配慮

歯ぎしりや食いしばりの自覚がある場合は、歯科医師に相談してください。氷や硬いものを噛む癖がある場合も、注意が必要です。

違和感を放置しない

被せ物が少しぐらつく、噛むと違和感があるなど、小さな変化に気づいたときは、早めに歯科医院へ連絡してください。早い段階で確認することで、対応の選択肢が広がることがあります。


よくある質問

Q1. 外れた被せ物は、そのまま自分で付けても大丈夫ですか?
A. おすすめできません。自己判断で戻すと、土台やインプラントに悪影響が出るおそれがあります。外れた被せ物は保管して、歯科医院に相談してください。

Q2. 被せ物が外れたまま、しばらく放置してもよいですか?
A. 放置すると、露出した部分に汚れがたまって炎症が起こったり、噛み合う歯や隣の歯の位置が動いたりすることがあります。できるだけ早めに受診してください。

Q3. 治療を受けた歯科医院に、すぐ行けない場合はどうしたらよいですか?
A. まずは電話で状況を伝え、指示を受けてください。遠方で通院が難しい場合は、応急的な対応を近くの歯科医院に相談する方法もあります。その際は、インプラントを入れた時期や、治療内容がわかる資料があれば持参してください。


まとめ

インプラントの被せ物が外れたり欠けたりしたときは、外れた被せ物を保管し、自己判断で戻さずに、早めに歯科医院へ連絡することが大切です。原因には、噛む力や噛み合わせ、固定部分のゆるみ、インプラント周囲の状態など、さまざまなものがあります。受診後は、検査にもとづいて、再装着や修理、作り直しなど、状態に応じた対応を行います。日ごろのセルフケアと定期的なメンテナンスを続けながら、気になる変化は早めに相談してください。


お気軽にお問合せ下さい

被せ物のトラブルや、インプラントの治療についてご不明な点や不安なことがある方は、まずはカウンセリングでご相談ください。お電話またはWEB予約フォームからご予約いただけます。アクセス情報も当院サイトにてご案内しております。


監修者情報

監修:古舘辰彦(かまくらサンライズ歯科 院長)
資格:国際アメリカインプラント学会(IDIA)認定医/インプラント専門医/インビザプラチナドクター/小児歯科相談医
経歴:北海道医療大学歯学部卒業


この記事を書いた人

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