インプラントの被せ物が外れた・欠けたときはどうする?
インプラントの被せ物(人工歯)が突然外れたり、食事中に欠けたりすると、驚いて「どうすればよいのか」と慌ててしまう方も多いのではないでしょうか。まず大切なのは、自己判断で元に戻そうとせず、できるだけ早めに歯科医院へ連絡することです。この記事では、被せ物が外れた・欠けたときの一般的な初動対応と、起こりうる原因、受診後の流れを整理します。年齢や性別を問わず、参考にしていただける内容です。
目次
- 被せ物が外れた・欠けたときの初動対応
- 被せ物が外れる・欠ける主な原因
- 受診後に行われる一般的な流れ
- 再発を防ぐために心がけたいこと
- よくある質問
被せ物が外れた・欠けたときの初動対応
まず落ち着いて、状態を確認する
被せ物が外れても、インプラント本体(顎の骨に埋まっている部分)が無事な場合は多くあります。まずは、次の点を確認してください。
- 外れた被せ物は手元にあるか
- 痛みや出血、腫れはあるか
- インプラントの土台(アバットメント)が見えているか、動いていないか
- 噛んだときに違和感があるか
外れた被せ物は捨てずに保管する
外れた被せ物は、清潔な容器やケースに入れて保管し、受診の際に持参してください。状態によっては、そのまま再装着できる場合があります。飲み込まないよう、また紛失しないよう注意してください。
自己判断で戻さない
市販の接着剤や、入れ歯用の接着剤で被せ物を戻すのはおすすめできません。接着剤が土台の部品に入り込んだり、正しい位置に戻らなかったりして、かえって状態が悪化することがあります。
受診までの過ごし方
- 外れた部分で強く噛まないようにする
- 硬いものや粘着性の強いものは避ける
- 露出した土台や欠けた部分を、舌や指で触らない
- 歯みがきは、やさしく行い、周囲の清掃は続ける
- 痛みや腫れ、出血があれば、受診の際に伝える
欠けた部分が鋭くなり、舌や頬を傷つけそうな場合は、早めに連絡して相談してください。
被せ物が外れる・欠ける主な原因
被せ物の不具合は、一つの原因だけでなく、複数の要因が重なって起こることがあります。
噛む力の影響
歯ぎしりや食いしばりなど、強い力が長く続くと、被せ物に負担がかかります。硬いものを噛んだ瞬間に、欠けることもあります。
噛み合わせのバランス
噛み合わせに偏りがあると、特定の部位に力が集中しやすくなります。治療後のお口の変化(ほかの歯の動きや、すり減り)によって、バランスが変わることもあります。
固定部分のゆるみ
被せ物は、接着材やネジでインプラントの土台に固定されています。固定方式によって、次のような変化が起こることがあります。
- 接着材が長い年月で劣化し、被せ物が外れる
- ネジがゆるみ、被せ物がぐらつく
被せ物の素材による特性
被せ物には、セラミックや金属など、さまざまな素材が使われます。素材によって、強度や特性が異なり、強い力が加わると欠けやすい素材もあります。
インプラント周囲の状態
インプラントの周囲に炎症が起こっていると、被せ物や土台が不安定になることがあります。外れた原因が被せ物そのものではなく、周囲の状態にある場合もあるため、検査で確認することが大切です。
受診後に行われる一般的な流れ
状態の確認と検査
まず、被せ物や土台の状態を確認します。必要に応じて、レントゲン検査などで、インプラント本体や周囲の骨の状態、噛み合わせを調べます。
状態に応じた対応
検査の結果によって、対応は異なります。
- 被せ物が無事で、固定部分のゆるみが原因の場合:清掃や調整を行ったうえで、再装着することがあります
- 被せ物が欠けた・破損している場合:修理が可能か、作り直しが必要かを判断します
- 土台の部品や、ネジに問題がある場合:部品の交換や、締め直しを行うことがあります
- インプラント周囲に炎症や骨の変化がある場合:その治療を優先して行います
どの対応になるかは、状態によって異なります。内容や回数については、診察の際に説明を受けてください。
噛み合わせや原因の見直し
再装着や修理を行うだけでなく、外れた原因を確認し、噛み合わせの調整や、歯ぎしり対策(ナイトガードなど)を検討する場合があります。
再発を防ぐために心がけたいこと
定期的なメンテナンスを続ける
治療後の定期検診では、被せ物のゆるみや、噛み合わせの変化、インプラント周囲の状態を確認します。症状がなくても、定期的に受診することが大切です。
日々のセルフケア
インプラント周囲の清掃を丁寧に行い、炎症を防ぐことは、被せ物や土台の安定にもつながります。清掃用具や磨き方は、歯科医院で指導を受けられます。
噛む力への配慮
歯ぎしりや食いしばりの自覚がある場合は、歯科医師に相談してください。氷や硬いものを噛む癖がある場合も、注意が必要です。
違和感を放置しない
被せ物が少しぐらつく、噛むと違和感があるなど、小さな変化に気づいたときは、早めに歯科医院へ連絡してください。早い段階で確認することで、対応の選択肢が広がることがあります。
よくある質問
Q1. 外れた被せ物は、そのまま自分で付けても大丈夫ですか?
A. おすすめできません。自己判断で戻すと、土台やインプラントに悪影響が出るおそれがあります。外れた被せ物は保管して、歯科医院に相談してください。
Q2. 被せ物が外れたまま、しばらく放置してもよいですか?
A. 放置すると、露出した部分に汚れがたまって炎症が起こったり、噛み合う歯や隣の歯の位置が動いたりすることがあります。できるだけ早めに受診してください。
Q3. 治療を受けた歯科医院に、すぐ行けない場合はどうしたらよいですか?
A. まずは電話で状況を伝え、指示を受けてください。遠方で通院が難しい場合は、応急的な対応を近くの歯科医院に相談する方法もあります。その際は、インプラントを入れた時期や、治療内容がわかる資料があれば持参してください。
まとめ
インプラントの被せ物が外れたり欠けたりしたときは、外れた被せ物を保管し、自己判断で戻さずに、早めに歯科医院へ連絡することが大切です。原因には、噛む力や噛み合わせ、固定部分のゆるみ、インプラント周囲の状態など、さまざまなものがあります。受診後は、検査にもとづいて、再装着や修理、作り直しなど、状態に応じた対応を行います。日ごろのセルフケアと定期的なメンテナンスを続けながら、気になる変化は早めに相談してください。
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被せ物のトラブルや、インプラントの治療についてご不明な点や不安なことがある方は、まずはカウンセリングでご相談ください。お電話またはWEB予約フォームからご予約いただけます。アクセス情報も当院サイトにてご案内しております。
監修者情報
監修:古舘辰彦(かまくらサンライズ歯科 院長)
資格:国際アメリカインプラント学会(IDIA)認定医/インプラント専門医/インビザプラチナドクター/小児歯科相談医
経歴:北海道医療大学歯学部卒業
